スズラン酒造「やまとなでしこ」ワインの味【300本限定】見つけ次第購入せよ

2021年12月7日特集

世界で300本しかないスズラン酒造の「やまとなでしこ」を、星野リゾート・リゾナーレ八ヶ岳「ALPILLES(アルピーユ)」で入手した。これはレアだという先入観を抜きにしても「儚さ・諸行無常・1本道」といった個性がないようで個性があるワインで、デイリーワインみたいに飲みやすいのに少量しか無いという物足りなさから、正直もっと飲みたい気持ちが非常に強いワインだった。




 

2019年の「やまとなでしこ」はもうないっぽい。2020年のとか、2021年のはまた出るだろうから、見つけ次第購入することを強く推奨する。

 

テイスティング・メモ

スズラン酒造「やまとなでしこ」ワインの香り

「ピノ・ノワールです」って香りがする。スパイスっぽい香りが透明な膜にコーティングされてる感じで、余計な複雑さがなくて透き通っている。アルコールっぽさがないので、ジュースかな?って思っちゃうくらいにはさっぱりした軽い香り。

 

純粋・蛋白・無個性とも言うのかもしれないけど、逆にスパッと個性が出てる気がする。辞書的な意味では「清楚」さを持つという意味では「やまとなでしこ」を名乗るにふさわしく、ワインとしての主張が少ない感じは、食事を立てるという意味でやはり「やまと」感は出ている。

English SAKE Review

【SAKE Aroma】

It has pino noir from japanese aroma, for example transparent complex clear taste, little rough bitter, balanced good red grape.

【SAKE Taste】

It tastes like almost pino noir bitter cleary, moderate soft grape water, little woody straight red grape taste, strange mysterious red wine.




スズラン酒造「やまとなでしこ」ワインの味

ポリフェノール感たっぷりというか、それしか味がしないのと、まぁ、すんばらしくピノ・ノワールが在籍している。舌の真ん中に山ぶどうの残滓を感じるけど、本当にわずか。主張が少ないとも言うが、山のきれいな水で育ったために味があまりない、まさに「行者の水」と言っていいくらいには酔いにくくて水分摂取に良さそうな味わい。

 

複雑さはないけど、若干の深みと、ほんの数%の酸味、木材感がある。赤ワインというよりは、ぶどうジュースが間違ってお酒になっちゃった感じ。とてもシンプルで味わい1つって感じ。複雑な、マルチな味わいはいらねぇ、味覚は一つだけでいい、って感じの味。

 

色でいうとあけびとかマンゴーとかそっち系の淡めの色合いで、形はイメージできなかった。儚さを感じる故か、塊がなく、ツチノコみたいな、UMAみたいなもんなんだと思う。数字でいうと11って感じ。味は一つしか感じないけど、その味の単調さの奥に何かいる。

 

特段、ものすごくおいしいわけではない。でも、香りはめっちゃいいし、味わいはシンプルで、確かにメルシャンとかのなんか意味分かんない甘ったるさとか水っぽさ、なんかこれじゃねぇなって感じの味わいではない。よく市販されてる日本のワインて、香りも味わいも奥深さも微妙で、結局イタリアやチリに勝てない、アルパカや猫のワインにも勝てない感じだったけど、これは違う。

 

日本の野山のワインだけど、香りにはこっそりフランスっぽさ(甘すぎず、高貴で、でも確実に鼻の奥にいい香りの状態で、肺ですっても嫌な感じがしない豊かな感じ)があるし、舌でもイタリアっぽさ(なんか苦いけど、まずいわけじゃなくてずっしり乗ってきて、油系のオリーブとかに合いそうな柔らかさを受け入れる雰囲気)がある気がする。

 

主張がなさすぎる。いい意味で。なんだろう。お酒を飲んでいるのに、口に含んでるときはいい感じに、おいしいのに、飲み終わると何飲んでたか分からなくなる。味が記憶に残ってくれない。でも、薄いわけじゃない。確かに香りにも味にも個性は出てる。なのに、スパッとキレがある。ワインとして脇役に徹しました、って感じはたしかに出てる。この物足りなさと、しっかり舌にのこる「儚さ」か!?なんか味わったらすぐ消えていくけど、確実にうまいんだ。でも、残らないし、酔わないから、またすぐに欲しくなる。しかもさっぱりしててデイリーワインみたいに飲み続けられちゃうけど、300本しか無い。少ししか無いので毎日は飲めない。何この葛藤?毎日飲めるんだったら毎日飲みたいわ。酔いにくくて、中毒性がある。フランスっぽい顔して、主張はしねぇ。確実に重みがある。この重み、たぶん舌に少し残るポリフェノールっぽさって、日本列島の歴史じゃない?島として、野山として続いてきた山ぶどうの歴史と水の美しさ、儚さがそのまんまワインに出てきてる気がする。奥ゆかしいとかじゃなくて「諸行無常」ってものを味わっている気がする。

 

本数がないのは単純に栽培が追いついてないか、規模が小さめだから。珈琲の焙煎でもそうなんだ。大ロットの焙煎っておいしくないんだ。一度に100g~300gの焙煎が一番うまい具合に、一番難しくて、一番おいしいところを出せるんだ。たぶん、この酒造のワインもそのちょうどいい所を攻めてる気がする。大量生産がなんだって?ってエルボーくらいながら頭なでられてる感じがする。

 

スズラン酒造「やまとなでしこ」ワインの色

なんか、日本のピノ・ノワールじゃないでしょ。新世界だっけ?そっちの味わいでもないし、明らかにフランスのワインですって顔してる味。色はきれいな紫蘇ジュース色。紫というよりは明るいピンクがかった紫よりの色合いで、日本の伝統色「京むらさき」色。明らかにフランスの色じゃないのに、フランスのピノ・ノワールの顔はしてるけど、色は京都っぽい。

 

菖蒲(あやめ)色って感じ。




体調の影響

疲れてても嫌な響き方をしない味わいなので、けっこうサクサクっと飲める。えぐい味もしない、くさみもない、ちょうどよく透明感で、グビグビ飲めるぶどうジュースに少しアルコールっぽさと大人を混ぜましたって感じ。

 

あんまり酔わない。結構飲めちゃう。

 

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スズラン酒造「やまとなでしこ」ワインの詳細

商品名やまとなでしこ
メーカースズラン酒造有限会社

アルコール度数

アルコール度数:13%

原材料名山ぶどう(行者の水):ピノノワール
公式サイトhttp://www.suzuran-w.co.jp/
個人的な評価★★★★☆

※感想は個人の主観です。

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Posted by 日本酒愛好家