お米の構造と科学

2021年7月20日日本酒概要

米は、イネ科イネ(Oryza)属のうち「アジアイネ」に分類され、ジャポニカ種・ジャバニカ種・インディカ種に分けられる。日本ではジャポニカ種が主である。お米の構造は、内側から胚乳・胚芽・ぬか層(亜澱粉層・澱粉層・種皮・果皮)・籾殻と分かれている。食用米の生産量は約720万トン、酒造好適米の生産量は約90万トンで総じて減少傾向にある。




お米の構造

 

お米の構造を内側から箇条書きにすると

  • 胚乳|albumen
  • 胚芽|germ
  • 澱粉層|aleurone layer
  • 種皮|coat
  • 果皮|rind
  • 種籾|seed

と分けられます。これよりも細かく分類されている構造もあります。英語表記に関しては正確ではない可能性があります。専門呼称があるはずですが、一応伝わるように記載しました。

 

酒造好適米の心白

食用の米で言う所の「白米」の中にあり、米の中心部分とも言える日本酒づくりに最も重要な部分を「心白」といいます。この心白には純粋に「でんぷん」が多いため、心白が大きいほどすっきりとした透き通った味わいになります。

 

精米歩合が60%、70%でもお米そのものに雑味が少ないもの、心白がものすごく大きいものを使っていれば透明感があり、スッキリした味わいになります。逆に心白が小さいがために2割、3割まで精米しないと雑味が出ておいしくない状態になるものもあります。

 

酒造好適米により、心白の形が線状・球状と異なっており、米に適した作業を必要とします。




精米歩合について

精米歩合が低いほうが飲みやすい、おいしいと考えている人もいるが、実際には必ずしもそうではない部分があります。上記の例のように、

  • 心白が大きい|削りすぎている
  • 心白が小さい|削らないと味が良くならない

上のものでは、心白は大きいので精米歩合30%まで削らなくてもいいのに、削ってしまって無駄が多い上に、それでおいしくなるとは限らない。下のものでは、精米歩合30%で贅沢そうに思えるが、心白が元々小さいだけで、そうしないとおいしくできないだけ…ということもありうる。

✕ 心白が大きいからおいしい

✕ 精米歩合小さいからおいしい

✕ 心白以外が入ったらまずい

◯ 適した精米歩合だからおいしい

◯ 心白以外が入ってもおいしくなる

ということです。その時の酒造好適米の生育具合やでき、精米時の具合、米に含まれている成分などを総合的に評価して、うまくできたらうまいんで、雑味が出ちゃったらまずいのではなく、その米の声が雑味として出ただけです。旨さを感じるニンゲン側の問題で、心白の大きさなんかは米の気分、天候に左右されるので、うまい日本酒出会えたらラッキーなんです。

 

胚乳に含まれる成分

心白を含め、米の胚乳には以下の成分が含まれます。

  • でんぷん(アミロース)
  • グリテリン(胚乳タンパク|rystalline P.B.|PBⅠ・Ⅱ)
  • アルブミン
  • グロブリン
  • プロラミン
  • ビタミンB1
  • GABA(γ-アミノ酪酸)
  • 脂質(パルミチン酸・オレイン酸・リノール酸)

脂質の構成については、下記の出典参考「うるち米ともち米の脂質の脂肪酸組成」より

粗脂肪の少量をメタノール・硫酸法によりメチル化し、得られたメチルエステルを二工程ガスクロマトグラフィによりその組成を測定した。

とのことであった。ミリスチン酸・ステアリン酸・リノレン酸も微量含まれているようですが、数値の多い3つを上記で抜き出し記載しました。

 

精米歩合や心白の大きさにより、これらの成分が日本酒に紛れ込んで、醸されて雑味や風味として出てくる上に、使用する酵母などの影響も受けて日本酒の味わいになります。本当にわずかであっても精米の際に混入する可能性は高く、よく洗うとはいえ、これらの味も含めて日本酒だと考えていたほうがおいしく楽しく飲めるでしょう。




出典・参考

米の品質構成要素の特性

https://www.naro.affrc.go.jp/training/files/2005_3-03.pdf

うるち米ともち米の脂質の脂肪酸組成

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej1951/28/6/28_6_403/_pdf

米殻粒の科学

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience1968/20/3/20_167/_pdf

胚芽精米のすべて

https://www.eiyo.ac.jp/haigamai/

平成30年産酒造好適米の生産状況等

https://www.maff.go.jp/j/seisaku_tokatu/kikaku/sake_30seisan.html

令和元年産酒造好適米の生産量

https://www.maff.go.jp/j/seisaku_tokatu/kikaku/attach/pdf/sake_01chousa-2.pdf

米の細胞壁の化学構造と品質

https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1962/37/9/37_9_740/_article/-char/ja/

Correlation between Taste of Cooked Rice and Structural Characteristics of Rice Starch

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jag1994/45/2/45_2_99/_article

北海道産米の澱粉の分子構造と性質

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jag/55/1/55_1_5/_article/-char/ja/

 

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Posted by 日本酒愛好家