日本酒の賞味期限と食中毒・下痢などの症状について
日本酒にはラベルに賞味期限を記載する必要はありません。一般的な冷暗所での保管であれば長くても10ヶ月から1年の間には飲み切るようにしましょう。基本的にアルコール度数が11%～19%程度は入っているため、よほどのことがない限り食中毒は起こりません。ただし、無濾過の生酒・原酒を飲むと食あたり様症状や下痢になることがあります。
食中毒とは
食中毒とは、食中毒を起こすもととなる細菌（さいきん）やウイルス、有毒な物質がついた食べ物を食べることによって、げりや腹痛、発熱、はきけなどの症状（しょうじょう）が出る病気のことです。食中毒の原因によって、病気の症状や食べてから病気になるまでの時間はさまざまです。時には命にもかかわるとてもこわい病気です。
農林水産省：リンク
厚生労働省：https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/index.html
食中毒というのは細菌、ウイルス、有害物質を起こすものを摂取したことで起こる症状全般を指します。ここでいう細菌は、例えば「E.coli（Escherichia coli）」というO-157：腸管出血性大腸菌というようなものなどのことを言います。
無害の菌も多すぎるとお腹を壊す
日本酒の場合は、無濾過の生酒、原酒にはお米を醸す酵母菌「Saccharomyces cerevisiae（サッカロマイセス・セレビシエ）」と言われる出芽酵母が含まれています。パンで言えばイースト菌のようなものです。
この「Saccharomyces cerevisiae」は基本的に食べてしまっても害はないですが、無濾過生酒のように酵母菌が大量に生きた状態で入っているような場合は、その酵母菌コロニーが濃厚すぎて、腸内の善玉菌や悪玉菌、日和見菌のバランスが崩れて大変な事になり（はたらかない細胞・はたらく細胞・もやしもんを見てね）、腹痛や下痢を起こす可能性があります。
人の腸内は絶妙なバランスで成り立っており、アルコール摂取に加えて酵母菌の摂取も重なると肝臓も膵臓もびっくりしていつもより活発に働き、胃腸が痛くなることがあります。これにより下痢になったり、脱水症状気味になる場合がありますので、日本酒の中でも火入れしていない無濾過生酒を飲む時はその量とお腹との相性に気をつけましょう。（体験談）
日本酒には賞味期限はない
日本酒の瓶に記載されている年月は、日本酒を瓶に充填した日を示す場合がほとんどです。日本酒の瓶に記載されている年月から約1年が賞味期限と考え、早めに飲むようにしましょう。
日本の食品表示法において日本酒は賞味期限を記載する必要はありません。以下、引用です。
第二章 加工食品
第一節 食品関連事業者に係る基準
第一款 一般用加工食品
横断的義務表示
第三条
消費期限又は賞味期限
１ 品質が急速に劣化しやすい食品にあっては消費期限である旨の文字を冠したその年月日を、それ以外の食品にあっては賞味期限である旨の文字を冠したその年月日を年月日の順で表示する。ただし、製造又は加工の日から賞味期限までの期間が三月を超える場合にあっては、賞味期限である旨の文字を冠したその年月を年月の順で表示することをもって賞味期限である旨の文字を冠したその年月日の表示に代えることができる。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=427M60000002010_20200716_502M60000002052
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/shokuhin/pdf/0020002-131.pdf
日本酒の場合は、品質が急激に劣化しないため基本的には賞味期限を記載する必要はないという考え方です。
生酒・原酒にあたることがある
正確、かつ、科学的に正しいとは言えない表現かもしれませんが、日本酒も飲みすぎると下痢になることがあります。ビールや日本酒のようなアルコール摂取では膵臓にも大きな負担がかかり、一時的に膵炎にも似た状態になることがあります（体験談）。
それまで市販されている火入れありの日本酒でお腹を壊すことはなかった人でも、無濾過生原酒というようなしぼりたて超贅沢品な日本酒を調子に乗って飲むとお腹を下しつつ、腹痛を伴う可能性があります。この場合の下痢は相当出てきやすいのでおパンツを染める可能性があります（ギリギリセーフ体験談）。
でも、火入れしてある日本酒では下痢もあたったこともないです。無濾過生原酒は、中に酵母が生きたままいるということで、体が慣れてないからあたったみたいな感じになるんです。そこだけ気をつけて無濾過中取り生原酒とかを楽しんで下さい。