日本酒の並行複発酵とは【醗酵の仕組み】
並行複発酵は、米麹と酵母の働きを並行的に活性化・不活化させてアルコールを生成させる方法で、Aspergillus oryzae、Saccharomyces cerevisiaeなどが関係します。日本酒造りにおいて欠かせない発酵方法のひとつです。
並行複発酵とは
並行複発酵(multiple parallel fermentation)の過程は以下の通りです。
- 糖化:米のでんぷんを麹が糖に変える
- 発酵:糖を酵母がアルコールに変える
この糖化と発酵を、段階を分けずに同時進行させます。この形式で作られるお酒は、アルコール度数が高くなりやすく、蒸留酒を除くと、醸造酒としては「日本酒」が世界で最もアルコール度数が高いです。(※焼酎は蒸留酒。)
でんぷん
グルコース
おおまかな反応経路は次の通り。
[C6H12O6]n → C6H12O6 → C2H5OH + CO2
単発酵とは
グルコースの多い原料を発酵させるだけのものを「単発酵」と言います。原料がグルコースで、単純に発酵だけ進めるため、こう呼ばれます。
単行複発酵とは
糖化(でんぷんを糖に変える)と発酵を別々に行う方法で、主にビールの発酵方法がこの「単行複発酵」です。
並行複発酵で作られるお酒
ここで解説している並行複発酵を使用してできるお酒は東アジアによくある独特の発酵方法で
- 泡盛
- 日本酒
- 焼酎
- ブボッド
- 紹興酒
- マッコリ
なども同じ方式で製造されます。日本酒はこれらの中でもクセが少なく、適度な甘みもあって飲みやすいと言われており、世界的にも注目されてきています。