令和のイマドキの若者がお酒を飲まない理由【日本酒・ワイン・ビール】

日本酒概要

令和に生きるイマドキの若者が飲むお酒の種類やお酒と触れる環境は大きく変わっており、ほとんどの若者はお酒を飲む必要性を感じていません。お酒を買うためのお金がもったいないと感じているのもありますが、お酒がおいしくないと感じていることも多く、世代間で大きな格差・環境の差が生まれています。

結論:安くてジュースのように飲みやすく悪酔いしないお酒なら飲む

当方、仕事で小中高校生の学習指導から社会人になってからのスキル学習までを受け持つ講師をしているのですが、さまざまな子どもたちが成人してお酒を飲むに至るシーンをおよそ320名ほど見送ってきました。

多くの子が共通して語る理由は以下に記載している通りで、逆を言えば本見出しにもあるように「安くておいしくて酔わないお酒」ならば時々飲むということです。

最初のお酒を誰と飲むか、どんな大人の飲み方を学ぶか、自分の好みのお酒を一緒に探してくれる大人と出会えていたかは非常に重要です。成人したての若者に、大人の我々が全額おごりで、ちょっとずつ何ヶ月もかけて色んなお酒を味見させてあげる機会があれば理想的です。

一緒にお酒を安全に飲める大人だと信頼してもらえている必要もあり、お酒に強くないとできないことなので普通は難しいですが、じっくりと時間をかけて良い飲酒文化を伝えていくつもりで取り組まないといけない問題です。

 

理由1:アルコールの味がダメ

昭和後期や平成初期の頃は、ジュースが身体に良くないと言われていたり、おいしいジュースが少なかったり、コーヒーやウイスキーを飲むのがかっこいい大人という社会的刷り込みがあったりしました。コンビニや自販機がどこにでもあった時代でもなく、飲み物も食べ物も幅広くいつでもどこでも手に入ったわけではありません。

 

現代は自動販売機やコンビニがどこにでもあって、安くておいしい飲み物が多いです。熱中症対策が当たり前で、健康志向が高まったこともあり、お酒は身体に悪いものという学校教育もなされています。お酒は社会人のストレスのはけ口でアルコール中毒などのリスクがあるものと認識されている場合もあります。

 

虫歯になりにくい甘い飲み物(甘味料)、健康面も考えられている飲み物や食事が当たり前になった今、無理にお酒を飲む理由はなく、お酒よりもおいしい飲み物で十分に楽しい人間関係を築けます。お酒を飲まないと腹を割って話ができないような人はダメな人という認識も一般化しています。

 

お酒を苦手だと言う若者の多くは、お酒そのものの味ではなく、アルコールの味が苦手と発言する場合が多いです。「シンデレラ」などのノンアルコールカクテルや「Bavaria」はおいしいと感じてくれますが、お酒が入るとおいしくない上に気持ち悪くなるものにお金を払って飲む意味が分からないと言います。ごく当たり前の認識で、その理論は間違っていません。

 

理由2:お酒にお金を使う理由がない(物理的に余裕もない)

令和の大卒新卒平均初任給は控除前は24万円ほど、手取りは19万円~20万円ほどになります。高卒や短大卒の人は平均手取りで約16万円~18万円ほどです。

 

東京の平均家賃は1Kで7万円~9万円ほど、地方・田舎では4万円~6万円ほどです。

 

地方・田舎はクルマ必須なのでガソリン代が1か月で約1万5千円前後、車検が5万円~10万円、駐車場代などがさらに加算されます。修理があればさらにお金がかかります。毎月2万円~3万円くらいはクルマの運用費用が必要だと思っていたほうが無難です。

 

一人暮らしの食費平均は1か月で約3万円~4万円ほどです。自炊して節約できている場合は1万円~2万円にできている人もいます。

 

節約したとして電気・水道・ガスで2万円ほど、スマホ・インターネット代で1万円ほどかかる場合が一般的です。

 

この時点で、以下のような出費が確定します。

  • 家賃:4万円~9万円
  • 自動車:2万円~3万円(購入ローン支払いや任意保険は別)
  • 食費:1万円~4万円
  • インフラ:3万円ほど

この時点で安くても8万円、高ければ19万円の出費があります。東京に住んでいる人は車を買わないで済みますが、食材と家賃が高く、総じて物価も高くなりがちで、電車賃やタクシー代がかさむ場合があり、結果的に収入に対しての出費の割合は、田舎に住んでいる人と変わらないか、田舎よりもきつい場合も多いです。

 

大卒で手取り19万円あったとしても、生活を切り詰めて、車を買わず、保険にも入らず、友人との外食も控えて、平日のランチ代も節約していけば貯金に回すお金が残ります。奨学金の返済(1.5万円~2万円)、車の購入ローン(2万円~|ケースバイケース)、車の任意保険、医療保険、各種租税公課、動画などのサブスク代、使いすぎちゃった月の電気代等、海外旅行や推し活のための貯金などを考えると、プラス・マイナスゼロに近い状態になります。

 

飲むと気持ち悪くなるおいしくないお酒なんかを飲むよりも、貯金したり、推し活のために使ったり、大切な人との贅沢なお出かけや食事のために使ったほうがマシです。

 

飲まないのではなく、飲めないが正しい表現です。お酒が飲めないのはかわいそうなことなんていう次元ではなく、社会人になりたての時点で、冗談抜きで結構余裕がないというのが現実です。

 

理由3:お酒に魅力を感じない

昭和のおじさん、乱暴で横柄な父親、お酒に飲まれてまともな状態じゃなかった両親などを見て育った人は、お酒に対して強い嫌悪感を持っています。

 

育ってくる過程で、上品かつきれいにお酒を楽しんでいる人を見られなかった人は、お酒は汚いもの、臭いもの、ダサいもの、ムダなものという認識が強いです。おいしそうに、きれいにお酒を飲んでいる大人が少なかったのは、紛れもない事実です。

 

お酒を飲んでいる人はぎゃあぎゃあ騒いでうるさいし、酒臭いし、つばを飛ばしながら喋る人もいて汚いし、お酒に関わる人たちに魅力を感じなかったという理由をあげる若者は想像以上に多いです。

 

令和に20歳になっている人が生まれたのは平成11年(1999年)以降

2000年前後から「飲酒運転」を原因とする非常に悲しい交通事故が全国的に大々的に取り上げられ、問題にされるようになりました。昭和の頃から飲酒運転によるひどい事故はありましたが、平成11年、12年になってようやく大きな問題とされるようになりました。遅すぎるくらいです。

 

お酒、たばこなどのイメージがはっきりと悪くなり始めたのも2000年以降で、令和に20歳を迎えた人々は、育ってくる過程でお酒へのイメージが悪い状態からスタートしています。

 

お酒を飲むお金もその理由もないイマドキの若者が、おいしくもない飲み物を買う理由はありません。お酒よりも食材を買ったり、趣味や推し活のためにお金を使ったりするのが当たり前です。

 

ビールやほろ酔いが人生初のお酒

20歳になって最初に飲むお酒は、たいていビール、ほろよい等コンビニで買えるものです。

 

ほとんどの人がビールは苦くておいしくない、ほろよいは甘くておいしくて飲めると言います。この時点で、多くの若者はお酒を選ぶ理由がなく、お酒と同じくらいの価格で飲めるおいしいジュースやコーラなどの炭酸飲料を選びます。お酒である必要がないからです。

 

イマドキの若者が日本酒に触れるのはどんなシーン?

イマドキの若者は、以下のような場合に日本酒に触れます。

  • ドラマやアニメで好きなキャラが飲んでいた
  • 職場の飲み会で上司が勧めてきたのを飲んでみた
  • 親が飲んでいるのを飲んだ
  • お正月にお神酒として飲んだ
  • コンビニで魔が差して「鬼ころし」を飲んだ
  • 魔が差して料理酒を飲んでみた

最も多いのが上司や親から勧められて飲むパターンで、それ以外のきっかけはほとんどありません。缶チューハイやほろよいに比べれば高くて、アルコール度数も高く、なんかおじさんくさくてかっこよくない、瓶の処分は面倒で重く、コンビニの日本酒はほろよいに比べると言うほどおいしくもないというマイナス要素ばかりです。

 

インスタでは「Miss SAKE」という現代のコンプライアンスを殴ってかかるような少し感覚が古い事象があり、着物を着ている日本酒が好きな女性が外見や知識や活動などで日本酒の普及に貢献しようとするイベントがありますが、これに群れているのが当然おじさんばかりで第三者目線では非常に気色悪いです。人を見た目で判断したり、順位付けしたりするようなものは、令和の感覚ではありえません。Mr.SAKEもありますが、どう言い訳しても外見をベースに人を選ぶというイベントになっていて、時代に合わない価値観を振りまいており、当然若い人たちからは忌避されます。

 

イマドキの若者がワインに触れるのはどんなシーン?

最近の若者がワインに触れるのは以下のようなシーンです。

  • 合コン(食事会・飲み会)で見栄を張る時
  • 料理に使う時
  • 飲み放題で普段飲まないお酒にチャレンジする時
  • 親が飲んでいるのを勧められた時
  • 職場の先輩や上司から勧められた時
  • 旅行先でワインが地域の特産だった時

ワインはなんとなく上品、お金持ち、教養がある、文化的であるというイメージを持たれることが多いですが、実際は自分をおしゃれを見せたくて世間体ばかり気にする味も分からないのに「通ぶっている」人が多いのはワイン界隈です。ワインが好きなのではなく、ワインを飲んでいる自分がおしゃれに見えるからワインを飲んでいるだけで、味の違いや好みはあんまり考えていないケースが”かなり”多いです。

 

高いワインや有名なワインが良い、安いデイリーワインはダメと考えている人が異常に多く、「自分が好きなのはこの国のこのブランド・生産者・地域のこれ」とはっきりと言える人はほとんどいません。

 

結果的にそういうお高くとまりたい人たちが多いという雰囲気に嫌気が差して去る人も多く、そもそもアルコールがおいしくない上に、高いだけのお酒を飲む理由がないので、若者が自分自身ではワインを飲まないという状況を作ってしまっています。飲んでもアルパカやネコのワインくらいで、それ以上の価格帯の国産ワインは値段も味もアルパカに負けてるレベルも多いので必然的に、飲み慣れていない若者はアルパカに落ち着きます。

 

イマドキの若者はお酒よりおいしいノンアルへ

若者はとにかくお金がありません。お金があっても最低限度の暮らしをするために必要なものがたくさんあります。

  • 動画のサブスク
  • 自動車やバイクの購入
  • 奨学金の返済
  • ゲーム
  • スマホの割賦購入

高くてすぐになくなって、体調が悪くなり、不健康でそんなにおいしく感じないお酒を選ぶよりも、私生活を充実させてくれるものにお金を使おうとするのは当たり前です。

 

日本酒好きな若者を増やすには「甘酒」や「おしるこ」をあげるといいかも

若者に日本酒をおいしいと感じてもらうには、「甘酒」や「おしるこ」や「抹茶」に慣れてもらうのが無難な方法です。

個人的な経験ですが、未成年だった教え子が甘いものを好きだった場合で、かつ、おせんべいやおしるこ、お団子などの和菓子系を好きな子は大人になっても、甘めのお酒や日本らしいお酒・飲み物を好む傾向がある気がします。完全に家庭環境や家柄が関係していると思いますが、飲酒文化としては至極当然のことでもあります。

甘酒はお米の風味や甘さが感じられるので、飲み慣れてくれれば将来「日本酒」に興味を持ってくれやすいです。日本酒を飲むようになってほしければ甘酒を、ビールを飲むようになってほしければジンジャーエールやレモン炭酸系の飲み物が影響する可能性があります。

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Posted by 日本酒愛好家