日本酒の統計データ|2021年次報告
山梨・日本酒同好会は、独自に日本酒に関する統計データを取得して、日本酒の人気向上を目的として解析を行っています。2021年において、日本酒の調査に関して一定の結果が出ましたので、ここに共有します。なお、統計と言うよりはアナリティクス結果で、詳細データは示さず、結果のみの共有となります。
はじめに
本調査報告は、山梨・日本酒同好会が独自に出資して、日本全国に対して、広告出稿を行った結果によるユーザー層の割合や人気度のアナリティクス結果の共有になります。そういうコンテンツであることをご理解の上、引用はほどほどに、マナーとモラルを守って参考程度に日本酒の人気向上にお役立て下さい。
年齢・性別で集計
全国で46,542回表示されたデータでは、
- 45~54歳女性:5,318回
- 35~44歳女性:5,123回
- 35~44歳男性:4,174回
- 55~64歳女性:3,916回
- 45~54歳男性:3,837回
という順に日本酒に関心が高いことが分かりました。この数字だけ見ると女性の方が日本酒について興味を持って調べていると考えられます。ただし、日本酒を好きなのではなく、日本酒を贈り物として、何を贈ればよいか調べている可能性もあり、消費者ではあるものの、若干性質の異なる需要がある可能性があります。
年齢別関心度
また、全国で639,678回表示されたデータのうち、日本酒への興味関心度合いを、年齢別に見てみると
- 25~34歳:105,736回
- 35~44歳:68,426回
- 45~54歳:45,763回
- 55~64歳:55,692回
- 65歳以上:22,667回
- 不明:341,394回
という結果になり、年齢だけで見ると25~34歳が最も日本酒に興味がある事がわかりました。こちらのデータは、さらに多くのデータを見たもので、全体データに近いものですが、スマホやパソコンの操作に慣れている若者に表示が多く偏っている可能性がひとつ。
実際の数字で言うと35~44歳、55歳~64歳が日本酒に興味があり、積極的に調べている可能性があり、かつ、65歳以上でも日本酒ガチ勢が一定数いる事がわかります。
関連する興味関心
キーワードで見てみると、日本酒に興味がある人と関連が深いのは
- 居酒屋:12,800回
- 刺し身:5,150回
- ビール:4,534回
- ウイスキー:1,020回
と並び、ワイン、カクテルに同時に興味がある日本酒好きはほとんどいませんでした。ワインに興味がある人は徹底的にワインを、カクテル勢はカクテル特化で行動しているようです。
居酒屋で出てきてもそこそこおいしいお酒として、ビール、日本酒、ウイスキーと並んでいると考えて良いでしょう。当方ワインはちょっぴり飲み慣れていますが、居酒屋のグラスワインは飲めたもんじゃないので、おそらく検索すらしないです。
ワインに関して言えば、ワインガチ勢は銘柄名で検索し、「おすすめワイン」なんて検索せず「キアンティ・クラッシコ・レゼルヴァ2003 通販」とかで調べていくので、日本酒、ワインはあまり関連はなさそうです。もしかしたら、日本酒をワインのように嗜もうとするスパークリング日本酒の動きは、あまり世間には、特に日本では受け入れられていない可能性があります。
まぁ、ワインはワインで飲みますし、日本酒は日本酒で飲みますよね。ビールの代わりにスパークリング日本酒で乾杯、ってのはありかもしれないですが、これは日本酒は基本居酒屋で比較的安く、ガハガハしながら飲むものだというイメージがあるためかと思います。新潟にあるぽんしゅ館でも、日本酒はお上品でおしとやかな雰囲気よりも「ガハガハ」してる田舎のおじじ的な雰囲気がありましたので、そういう所あるんだと思います。
ホテルの最上階で飲むならワインがいいですもんね。私でもそうですもん。日本酒は、温泉とかで湯船の中で、熱燗で飲みたいし、お宿のお部屋で寝る前の晩酌としてお着物的なもので飲みたいですもん。
デバイス別
日本酒に関心がある方が使用しているデバイスで表示回数も多く、クリックも一定数あったのはモバイルとパソコンでした。この数字を見ると、日本酒が好きな人は、
- モバイル:49.8%
- パソコン:41.0%
となり、他のメディアに比べるとパソコンから見ているユーザーが非常に多い事がわかります。ウェブ系にはちょっと片足を突っ込んでいるのですが、この表示はなかなか興味深いです。パソコンで日本酒について調べている人が20代や30代にも多いというのは、収入別の所をみるとはっきりしてくるのですが、コンプライアンスの関係で収入帯はオープンにしません。
ただ、日本酒はやっぱり高いみたいで、ビール350ml24缶5000円と日本酒720ml2000円だったら、ビール買いますよね。分かります。
地域別
日本酒(少なくとも山梨の日本酒)に興味関心が高かった地域は
- 埼玉:126,971回
- 大阪:49,892回
- 愛知:41,768回
- 神奈川:34,899回
- 北海道:29,643回
- 茨城:26,077回
- 兵庫:25,701回
- 沖縄:5,149回
- 山梨:4,000回
という結果になりました。(4,000!山梨…4,000!だけ!?山梨!?…え!?)ちょっとどころではなく、だいぶショックで書き上げるのを諦めそうになったくらいですが、山梨の日本酒として表示させていても、日本酒に興味がある地域で見ると、山梨の日本酒は、山梨ではほとんど消費されていない!?のか、はたまた、県内のどこでもだいたい売ってるから、調べるまでもなく、飲んでいるということなのか、沖縄よりも日本酒について調べていないというのは、一体どうしたら良いのでしょうか。
Instagramの場合
ストーリーズやフィードへの広告をよく見るのは「25~34歳の男性」でした。
ただ、他の似たような出稿ではフィードと発見タブが多くなっていたため、なんだかよく分かりません。ただし、体感で分かったのはストーリー、フィードでアプローチする場合は数秒の短い動画、イメージビデオで日本酒に対するイメージを変えられるようにしていく方が、将来的には良さそうだと思いました。
イマドキの20代、30代はいわゆるゆとり・さとり世代なのでそんなにガハガハしながらお酒を飲まない上に、お酒にお金を出せる人って、しっぽり、ゆったり飲みたいんじゃないかなと思います。大騒ぎしたい人は、日本酒じゃなくて、シャンパンとか、缶チューハイとか、ビールに親近感があって、飲む場所も明確に区分わけされています。
顕著に違いが出てきたのは「45~54歳の男性」はほとんどがフィードを見ているという感じで、この年代にアプローチするにはストーリーを頑張るよりもフィードを更新した方がよいのかもしれませんし、そもそもストーリーってものがよく分かっていないかもしれません。
インスタでも日本酒に興味関心が高いのは、東京、大阪、神奈川、愛知、北海道という感じでした。
まとめ
言葉を失ったのでまとめますが、アプローチとして、
- 日本酒に対するイメージをおしゃれに変えていく
- 日本酒を飲んでても恥ずかしくない風潮にする
- 日本酒界隈はパソコンユーザーも多い
- 20代でも買えて飲めるおいしい日本酒の普及
などが必要だと感じました。日本酒を自分で飲むよりも贈答用で買う人も多く、どんな日本酒がおいしいのか知りたいだけ、って人が多いのは当初から把握しておりましたが、その様相が明確になった気はします。どの日本酒がガチ勢が言うほどにおいしいのか、コスパが良いのか、というレビューは今後も世間に求められているとはっきりしたと言って良いでしょう。
まずは、自分で飲む、楽しむのが大切で、しかも、日本酒のイメージをきれいなイメージにできるように、くさいおやじっぽいイメージを持たれないように飲むってのが大切かなと思います。