太冠「斜陽 純米酒」の味|力強く華麗な花と4段階の味わいの起承転結がある燻された美花のような日本酒
太冠「斜陽 純米酒」は、強めの華やかなパワフルな生命力のある花っぽい香りで、刺激があり、柔らかくも強く、乳酸系の米由来の甘さや酸味を持つ焙煎された藁のような風味があって、味の変化が起承転結を物語る小説そのもののような表現がある日本酒。
テイスティング・メモ
太冠「斜陽 純米酒」の香り
ミネラル感たっぷりで、断崖絶壁の上にある岩の野に咲く、力強い白くて小さな花の蜜のような香り。がつんとアルコール臭が上がってくるが、香りのきれがよいのでそこまで気にならない。なんなら太冠らしい香り。
【SAKE Aroma】
It has powerful energy flower aroma, for example clean powerful but cutie little flower, clean alcohol and minerals, it has some story in aroma.
【SAKE Taste】
It tastes like soft mellow and smoked lactic rice straw, gentle smooth and strong rough bitter and deep acidity, cleary aftertaste, not for beginner.
太冠「斜陽 純米酒」の味
口当たりなめらかで麻呂麻呂しく柔らかく、焦がした乳酸系玄米、焦がし藁のような雰囲気がある強いクセに、やさしく流れるような渋さ、味のキレのよさが合わさって、確かに一口飲み込むごとに物語を語るかのように、味の変化の切り替えシーンがはっきりしていて、とんでもなく興味深い。
はじめは静かに、次に激しく、その後落ち着かせ、最後に潔く…という感じ。太宰治の「斜陽」は読んだことないけど、調べた限りでは「没落していく貴族」を描いたものらしく、このクセのある感じ、まさにピッタリ(な気がする)。
見た目は気高く美しく着飾っているが、味を、中身を見れば生々しくけたたましく、去り際には何も残らない惨めな様をそのまま日本酒で表現している感じがあって、日本酒で小説を表現ってできたんだ、と絶句する。
太冠「斜陽 純米酒」の色
無色透明。銀系白色透明度の高いまるで真水のような色合い。ほぼ色がないのに、味わいには物語がある。
体調の影響
飲み込む度に物語を感じないといけないので、ちょいキツイけど、じゃあ、喉で飲んじゃえばいいじゃんって、喉で飲むと苦すぎる所だけやってくるクセがある感じがまた皮肉っぽくて、むしろいい。
太冠「斜陽 純米酒」の詳細
商品名 | 太冠純米酒 斜陽 太宰治「斜陽」執筆75年記念映画 |
メーカー | 太冠酒造 |
アルコール度数 精米歩合 | アルコール度数:15度 精米歩合:65%(酸度1.6、日本酒度+5) |
原材料名 | 米、米麹 |
公式サイト | |
個人的な評価 | ★★★★★★(+6) |
※感想は個人の主観です。